★episode.005 「お手伝いさん」(前編)

006.優子ママ-thumb

(※いくつ頃の私でしょうか?答えはお店でね。)




これは、36歳ぐらいのお話しです…。


この年の1年前、35歳の時に自分のお店オープンさせたのですが、店で起こる様々な事柄に掛かりっきりで、家のことが何にも手をつけられない状況でした。自分で言うのも何ですが、「これが新地のママの家か?」と疑問を投げられるほど変わり果てていく状況に、これではダメだなと思い、「お手伝いさん」に来てもらうことにしました。


今まで接してきたお手伝いさんの中には、1日で辞めた人、無断でお休みする人。また家にある物を「勝手に拝借」する方もおられたりと、中々一筋縄ではいかないものだと思い始めていました。結構そのことで悩んでいたときに、今回の主人公である「良子(よしこ)さん」という方がやってきたのです。


お年は50後半で、外国人の血を引いておられ、彫りの深い顔立ちで色が白くとても綺麗な方でした。ただし、大阪生まれの大阪育ちらしいので、「あきまへんがな!」やら「ほんまかいな!」等、バリバリの大阪弁を話します。そのギャップがかわいいと言えばかわいいのですが…。


その良子さん。同居しながらお手伝いいただくというスタイルでしたので、それはそれは、数限りないほど喋り合い、親戚かと思えるほどの距離感に成っていました。彼女は某TVの「人に歴史アリ」ではないですが、昔は物凄く裕福な家庭で育ち、それはそれは大切にされたと言っていました。しかし、所謂「斜陽」の如く「華族」のような家庭は崩壊し、そこからは苦難の人生が続いたと。後に、ミナミの高級料亭で働いていたらしいのですが、事の真相は今でもわからないままです。


まぁ〜、上品な顔立ちに、話してきたことも含め、普通の人とは違ったオーラに包まれていたとは思うのですが、「私は、川端康成の親戚で…」やら、「團伊玖磨(「ラジオ体操第二」、童謡「ぞうさん」、オペラ「夕鶴」等の作曲をした作曲家であり、指揮者)とは知り合いなんです」やら、これまた著名な画家を指さし、「いとこですわ」とサラリ言ってみたりと、なかなかのお喋りさんでした。しかし、お年もお年ですし、一生懸命の話してくれる様に「そんなアホな!」とつっけんどうに返すのもアレかとおもい、さらりと流しつつ半信半疑でいたのですが…。


(後編へ続く…。)


優子