★episode.005 「お手伝いさん」(後編)

007.優子ママ-thumb

(※いくつ頃の私でしょうか?答えはお店でね。)




そんなある日、「團伊玖磨さんのコンサートが尼崎であるので、ママ一緒に行きましょう!」と良子さんに誘われたのです。無碍に断るのも気の毒だし、半信半疑でコンサートに足を運びました。そして、会場に着くや否や「楽屋へ行きましょう」と急な展開へ…。


まず、楽屋までたどり着けるのかさえヒヤヒヤして居たのですが、まるで関係者の如くスッと通されました。そして、行き着いた楽屋で彼を見つけるなり、「団さん、おひさしぶりぃ〜」と親しげに語りかけるでは。その時点で私の心臓はバクバクし過ぎて、軽い貧血を起こす一歩手前だったのですが、団さんも良子さんに対してフレンドリーな挨拶を交わしています。その様な光景を目の当たりにした訳ですから、「半信半疑」な想いは180度覆されました。また、コンサート後には、お店に立ち寄って頂き、お店にいたお客様は突然の来客に目を白黒。同伴する良子さんには「ホンマやったんや!」と驚きの視線と尊敬の眼差しが注がれていました。


そして、その良子さんとの思い出で、外せないエピソードがもう一つ。
シャイな私の告白に、皆さん冷やかさないでね!(笑)


当時私には、伝統芸能に携わっておられる「Fさん」と言う方がいました。お付き合いするうちに家にもたびたび遊びに来ていました。ただし、彼はかなりの食通で、鮮度は勿論、お出しするお料理にも工夫を凝らすなど、それはそれは大変な物でした。ある日の献立では、当時住んでいた豊中から黒門市場へフグを買いに行ったり、どこそこの何が美味しいと聞けばそれを取り寄せたり、今思えば重役クラスの接待ですね。良子さんも献立(特別メニュー)に苦労しながら「ああでもない、こうでもない」とさぞ大変だったことと思います。


そんな彼が「お泊まり」したときの事です。2階の寝室で遊んでいたのですが、「ドス〜ン」と物凄い音と共に体が斜めに傾きました。何が起きたか分からず、突然の出来事に私たち二人も目が点に。するとすかさず、下から「ドドドドドン!!」と良子さんが勢いよく階段を駆け上がって来たと思ったと同時に、寝室の扉を開け、「なっ、なっ、なにしてはりましたん!!」と、大声で叫ぶのです。なにしてはりましたんと言われても…。答えようの無い質問に私達は気まずいやら恥ずかしいを通り超え、大声で吹き出してしまいました。


良子さんが亡くなられて大夫と立つのですが、お世話していただいた7年間は本当に楽しい毎日でした。
改めて、ご冥福をお祈りします。


優子